よくある健康相談(犬・猫編)

よくある健康相談(犬・猫編)

出ベソ・臍ヘルニアについて

ご質問:「うちの子、出ベソなんです!」「おヘソのヘルニアって言われたけど…」

 ワンちゃんネコちゃんのお腹をなでていたら、ポコッとしたものに触れて、腫瘍じゃないかと心配して動物病院に行ったときに、「出ベソですね」「臍(さい)ヘルニアですね」と言われました。このままで大丈夫なんでしょうか?

 人間でも出ベソな人はいらっしゃると思いますが、犬や猫の出ベソってなんでしょう?


出ベソの仕組み

 哺乳類にはかならず臍(へそ)があります。それは、お母さんの子宮の中で成長していた時の名残なのです。胎仔は子宮の中で肺がまだ使えないので、胎盤を介してお母さんから酸素を含んだ血液を送ってもらっています。
その胎盤と胎仔をつなげていたものが臍帯(さいたい)で、出産と同時にちぎれてなくなってしまうのですが、その名残が臍です。この臍の部分が出っぱっていることを「出ベソ」と一般的に言われています。

 出産と同時にちぎれた臍帯はそのうち縮んで、なくなります。なくなると、その臍帯が通っていた穴は他の組織や筋肉で徐々にふさがっていくのが普通です。しかし、その穴がふさがらずに残っていて、その穴からお腹の中の脂肪や内臓の一部が飛び出てきているものを臍ヘルニアと呼びます。

治療は必要でしょうか?

 下の図の「瘢痕組織(はんこんそしき)」というものが、ちぎれた臍帯の名残です。これらだけで飛び出したようになっている出ベソ(真ん中の図)の場合は治療する必要はありません。単に皮膚が盛り上がっているだけだからです。

 しかしお腹の中の脂肪や内臓の一部が飛び出てきている臍ヘルニアの場合(一番右の図)は、手術で治すことをお勧めしています。なぜなら、ヘルニアの穴が大きければ、お腹の中の膀胱や腸が入り込み、排便障害や排尿障害を引き起こすからです。それらの障害は放置すれば命に関わりますので、臍ヘルニアの場合には手術で治した方が良いとされています。  

治療の方法

 まずは触診で、臍ヘルニアなのか、単なる出ベソなのかを確認します。臍ヘルニアの場合には治療が必要で、方法は手術以外にはありません。
 臍ヘルニアの穴が小さく内臓の一部が飛び出ていなければ、全身麻酔下でお腹を切開し、出て来ているものをお腹の中に戻し、腹直筋を縫い合わせるだけで終了します。臍ヘルニアの穴が大きく内臓の一部が飛び出てきていて、縫うだけでは穴を埋められないような場合には、人工的な手術用布を縫い付けて穴を埋めます。
 また、臍ヘルニアの穴が大きく内臓の一部が飛び出てきているものを長期間放置していた場合には、他の組織と癒着して(くっついて)いたり、飛び出てきていた内臓が壊死していたりするため、緊急性と難易度が高い手術となります。

 多くの場合で、臍ヘルニアは仔犬仔猫の頃に発見されます。そのため、避妊手術や去勢手術などの時に同時に手術することが一般的です。中高齢になるまで長期間放置してしまうと、様々な合併症が引き起こされるため、もし出ベソを発見したら、まずは動物病院を受診されることをお勧めします。

 また臍ヘルニア以外に、鼠径部(内股の部分)に出来る鼠径(そけい)ヘルニアもあります。こちらも同様に、放置すると中高齢になってから合併症を引き起こしますので、動物病院を受診しましょう。


年中無休 午前診療/9:00~12:00 午後診療/13:00~19:00
Tel.03-6913-3361 メールでのお問合せ
プリモ動物病院 練馬 案内図
ページトップへ