よくある健康相談(犬・猫編)

よくある健康相談(犬・猫編)

猫の慢性腎臓病について

ご質問:「うちのコ、最近やたらと水を飲みます。おしっこの量も多いし…何かの病気かな?」

 猫が中高齢になって発症する病気の一つに、「慢性腎臓病」があります。この病気になるとおしっこの量が多くなり、そして水を飲む量が多くなります。この「水をたくさん飲む」という症状が、飼い主様が最初に発見する「慢性腎臓病」の症状と言ってもよいでしょう。

【腎臓の働き】
 猫も犬も人も、腎臓という臓器は2つ持っているのが通常です。腎臓の中にはネフロンと呼ばれる小さな「ろ過装置」があり、まず血液をろ過して老廃物と水を尿中に出し、次にろ過された水分のうちの必要な分を再吸収する、という働きをします。
つまり腎臓は、体の中の水分バランスを調節するのと同時に、新陳代謝によって出てくる老廃物を、尿として体の外へと排出しているのです。


腎臓病の診断と治療

①猫の腎臓病
 猫で腎臓の機能が低下すると、水分の再吸収がうまく出来なくなります。そうなると、必要な水分が間違って大量に尿として排出されてしまい、体は脱水状態になってしまいます。脱水状態になると、喉が渇きますので水をたくさん飲むようになります。たくさん水を飲んでも、ほとんど全て尿として出ていってしまうので、やはり脱水したままとなります。
 この脱水によって、毛並みが悪くなったり、便秘になったり、元気・食欲が落ちたり、口が臭くなったりします。そして尿で排出すべき老廃物が体に蓄積されてしまい、吐き気や神経症状(発作)がみられることもあります。
 また腎臓の機能は、一度失われてしまうと二度と元に戻ることはできません。もし慢性腎臓病と診断されたら、1日でも長くその病気と付き合うために出来ることをしてあげる必要があります。

②検査・診断
 猫の腎臓の機能が低下しているかどうかを調べるための、とても大事な検査の一つが「尿検査」です。尿が薄くなっていないかどうか、尿にタンパクが出てきていないかどうか、などを調べることで腎臓の機能低下を早期に発見することが出来るのです。
 血液検査の数字で腎臓の機能を見ることも出来ます。ただし注意したいのは、血液検査で腎臓の数値が悪くなるのは、腎臓の75%が機能しなくなってからだ、という点です。つまり、腎臓病がかなり進行していなければ血液検査では発見できない、ということです。
 尿検査・血液検査そして超音波検査などを組み合わせて、猫の腎臓病を早期に発見することができるのです。
 もし病院が嫌いで、連れて行くことが難しい猫の場合は、まず自宅で尿を採取して尿検査だけでも受けることをお勧めします。

③治療
 健康診断などで偶然に腎臓病が見つかっただけで、まだ何も症状が出ていない場合には「食事療法」がお勧めです。猫の食事中に含まれる「リン」とタンパク質」が徐々に腎臓に悪影響を及ぼすことが分かっているため、それらを抑えた食事が寿命を延ばすことが報告されています。
ただし、タンパク質は猫にとって非常に重要な栄養素のため、勝手に減らしてしまうのは危険です。きちんと科学的根拠に基づいた腎臓病療法食を与えましょう。

猫の慢性腎臓病は、とにかく早期発見が大切です!

 もし「水をたくさん飲む」などの症状が見られている場合には、脱水がありますので水分を積極的に補給する必要が生じます。それは、猫が水を飲みやすいよう工夫したり、ウェットフードにしたり、もしくは点滴で水分を補給するなどの方法があります。この点滴は、入院で行う‘静脈点滴’と、自宅でも行うことができる‘皮下点滴’があり、猫の状態や性格によって選ぶことが出来ます。
 そして食事療法、水分補給の2つ以外にも、腎臓の負担を軽くするための飲み薬や、体に蓄積された老廃物の排出を助ける活性炭など、様々な方法を組み合わせて治療をしていきます。

 猫の慢性腎臓病は、とにかく早期発見が大切です。早い段階で腎臓病が発見されて食事療法を行った猫は、何もしなかった猫に比べて2倍長生きした、という統計結果があります。
治療の選択肢が「入院して点滴する」だけになってしまう前に、少しずつ日ごろからできるケアを取り入れていくために、5歳を超えた猫さんは動物病院で健康診断を受けましょう。


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