仔猫のしつけ

~猫にもしつけって必要ですか~

 犬には、「マテ」や「オスワリ」を教えたり、吠えないためのトレーニングやトイレトレーニングなど、さまざまな「しつけ」が実践されています。でも猫ではあまり「しつけ」という言葉は使われません。

「猫にはしつけは通用しない」「犬のように人間をボスだと思っていないから言うことを聞かない」という説も存在しています。確かに猫を叱ってみても逃げるだけで、次から二度といたずらしなくなる、ということは少ないかも知れません。でもそれは、犬と同じようにしつけようとするから猫に伝わっていないだけなのです。

 猫の気持ちや特徴を理解してルールを教えることで、猫も人間と暮らすルールを守ってくれますので、猫と人が快適に一緒に暮らせるようになるでしょう。

~猫の特徴を知る~

 家庭で飼われるペットの代表は犬と猫ですが、「猫は小さな犬にあらず」という言葉があるように、猫と犬は様々な点において異なります。例えば、犬は雑食動物とされていますが、猫はタンパク質を主な栄養源とする肉食動物です。そして犬は群れを作って生活する動物ですが、猫は主に群れは作らずに単独で行動する動物です。それ以外にも、体の様々な部分においても猫は犬とは大きく異なります。

仔猫のしつけを考える上で重要な点は、「群れ社会で生きる犬」と「単独で行動する猫」の違いです。

 例えば、犬は正しい行動をして飼い主に褒められると、それは「群れの中で他者から承認された」という感覚をもたらします。群れで他者から承認されると自分の生存確率が上がるため、「褒められる=承認=良いこと」と理解することが出来ます。それと同様に、「叱られる=他者から排除=自分の生存確率が低下」となるため、叱られたことはやらないように、叱られないようにルールを守ろうとします。

 一方で、猫はそもそも単独行動ですから、「他者から承認される」という感覚が乏しい、と言われています。猫にとって生存確率を上げることとは、食べること、脅威から逃げること、だけですから、他者に承認してもらう必要はありません。さらに「叱られる=大きな声で威嚇される=脅威」と理解しますので、怒る飼い主を避けるようになってしまうこともあります。

 もちろん一般的な猫の習性であって、全ての猫にあてはまるわけではありませんが、犬のようにしつけをしてもうまくいかないのには、このような理由があるのです。

~猫のしつけのキーワードは「不快感」~

では実際には猫のしつけはどのようにしたら良いのでしょうか。

 よく言われる「猫のしつけは天罰方式」ですが、タイミングさえ間違えなければ、この方法が最も効果的と言えるでしょう。

天罰方式が効果的な理由は、猫は何か動作をした時に同時に不快な出来事が起きると、その動作と不快感が結びつき、それをやらなくなるという行動原理があるからです。例えば、飼い主様の膝の上に乗った瞬間にカミナリなどの大きな音がした場合、「膝の上=大きな音=怖い」という原理が作られてしまい、その後は膝に乗らなくなる、といったことがあります。

 この原理を利用して、しつけます。乗って欲しくない場所・してほしくないコトを「猫にとって不快な場所・コト」にするよう工夫をしてみます。

①不快感を与える
 ガムテープなどの粘着テープを裏返しにして、乗って欲しくない場所(シンクなど)に貼り付けます。こうしておくと、仔猫が乗った時に猫の足や身体に粘着テープがくっついて、仔猫としては非常に不快に感じます。不快な場所には乗らなくなる可能性が高いと思います。

②大きな音に驚かせる
 人が食事をする食卓に乗って欲しくない、といった場合には、仔猫が飛び乗ってくるタイミングを見計らって、風船を割る、という方法もあります。突発的に大きな音がするため、仔猫としては非常に恐怖感を感じ、二度と乗らなくなる可能性が高いです。
 ただしこの時に人が大きな声で注意すると、「人がいない時は大丈夫なはず」と学習してしまいます。あくまでも人とは無関係に起きた出来事だと思わせる必要があるのです。

このように、「猫を不快にさせる」をキーワードに、仔猫のしつけを実践してみてはいかがでしょうか。

 ただし、猫は高い所に乗る生き物ですので、猫が乗って良い高い場所(キャットタワーなど)もきちんと用意してあげましょう。また、猫は基本的に怖がりな動物ですから、大きな音でビックリさせる方法も、度をわきまえなければ猫が安心して住めなくなってしまいます。どのようなしつけ方法であっても、やりすぎには注意してください。

 家に迎えたばかりの猫はまだまだ子供です。いきなりお行儀が良くなることはありませんので、ゆっくりと家のルールを猫にも理解してもらって、お互いがストレスなく暮らせるようになりましょう!

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